講演:「世界のどこかで瞬間(いま)」を伝えること 4/5

山路 芸術って、体裁がいいものということじゃなくて、問題を提起するということが大事なんです。形が不格好であったとしても「とにかくこれはこういうことなんだ」という、社会に対するメッセージや、問題提起をしていくというところが、一番基本となるものだと思います。ですから、学生の皆さんも、様々なことに問題意識を強く持って、作品を作ってほしいと思っています。

寺山 そういう意味では、モチベーションというのが大事になってくると思います。なぜ作品を作るのか、なぜ作り続けるのか、ということが非常に大事だと思うんです。原先生は作品と社会という部分で、非常にいろんなプロジェクトをプロデュースされてると思うんですが、そのあたり如何でしょうか?

 同じ空気を吸いながら、この時代を一緒に生きている私たちが今、何をしなくてはいけないのか、何を人に伝えなければいけないのかということは、今日ここにいる全ての人が考えるべき問題でしょうね。
 小手先で作られた作品を見た時に皆さんはどう思うでしょう。何が言いたいんだろうかと考えても、多分何も伝わってこないんじゃないんじゃないでしょうか。言葉の壁とか、理解をする能力とか、個体差を超えて、何が言いたいのかっていうのが、誰にでも伝わるような、強いメッセージを発する作品だけが残っていくと思います。他は淘汰されていくんですよね。
 例えば、最近は動画共有サイトなど、様々な無料のメディアがあるので、わざわざコンテンツに対してお金を払わない。だけど必然性を感じて作られたものっていうのは、やっぱりきちんと残っていくし、それには対価が払われるだろうと思います。
 ぜひ、今日ここにいるクリエイターの卵の皆さんたちも、今自分たちが伝えるべきことを考えていってほしいと思います。

寺山 社会へ出て、自分自身の能力で、クリエイティビティを高めるという、皆さんにとっては新しい領域に入っていってもらえればと思いますね。

 この作品にインスパイアされて、何か新しいことをやってみようという気持ちを強めた人もいるのではないでしょうか。山路先生、寺山先生、ありがとうございました。

2009年2月8日 コナミホールにて

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